沖縄ウェディング プロデュース 「Love Baile(ラブバイレ)」

過去の公演から 9 シルヴィ・ギエム「ボレロ」

2010.12.14

シルヴィ・ギエム「ボレロ」

 シルヴィ・ギエム。それは、シルヴィ・ギエム以前のバレエと、シルヴィ・ギエム以後のバレエでは、バレエ史が変わったといわれるほどの稀代の名バレリーナです。かなり前の今から5年前、2005年12月5日、東京文化会館でシルヴィ・ギエム最後の「ボレロ」という歴史に残るであろう公演を見ました。

 ボレロとは、ラヴェル作曲の有名な曲に、モーリス・ベジャールが振りつけた、傑作バレエの一つ。装飾的な要素は一切なく、赤い円卓の上の「メロディ」と、周囲を取り囲む「リズム」とが印象的なこの作品は、同じリズムに、簡潔な振付によって、踊り手で作品自体が形を変えるという、ダンサーの精神性を色濃く反映する作品でもあります。あるときは、美の女神とその媚態に惑わされる男たちの繰り広げる欲望と俗の物語、あるときは異教の神のつかさどる儀式のような聖の物語など、初演以来30年、様々な姿で人々を感動させる「ボレロ」。演出も様々で、初演の際は、「メロディ」の女性をとりまいて「リズム」の男性。のちに男性の「メロディ」に女性の「リズム」、男性の「メロディ」に男性の「リズム」と演出方法も様々です。

 「このあまりにもよく知られた曲が、いつも新鮮に聞こえるのは、その単純さゆえである。スペインというよりむしろ東洋にその源をもつメロディは、メロディそのものの上にさらに渦を巻いてゆく。しなやかで女性的、かつ情熱的なものを象徴する。このメロディは、必然的に単調なものとなっている。男性的なリズムは、つねに一定のものを保ちつつ、その量と勢いを増すことによって、音の空間をむさぼり、ついにはメロディをも呑み込んでしまうのである。」モーリス・ベジャール

精神の高ぶりを感じさせるクライマックス

 当時、コンテンポラリーというものをほとんど見たことのなかった私は、理解できなかったり、時折退屈にも感じた演目もありましたが、この「ボレロ」は気付いたら終わっていたという感じでした。時間にしておよそ18分~20分。その間に、すべてのエネルギーが放出されます。それは、高尚であったり、淫媚であったり、踊り手や空間、様々なものによって変わってきますが、シルヴィ・ギエムの無駄のない、ある意味中世的な肉体からは、そぎ落とされたからこその色気を感じます。マリリン・モンローのような分かりやすい色気ではなく、そこにいるのは人間を超えた存在のようにも感じます。特に、冒頭の照明が右手の動き、左手の動きにあわせてのみ当てられ、全体像が見えない場面での、官能的な動きは、バレエというよりは、もっと人間の根源に近い何かを表しているように思えます。もともと、ボレロは、徐々に高まっていく性の高揚、そして最後にすべてが放たれ、照明が落ちる演出は絶頂を表しているとも言われ、そういう意味でも、ロマンティックで夢見がちなクラシックの世界とは相反する人間性を追求した作品です。

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